ヴァンサン・マリー(ノー・コントロール)
Vincent MARIE(No Control)
本拠地:ジュラ・オーヴェルニュ
⾃由な発想で極上のヴァン・ヴィヴァンをつくる、オーヴェルニュ次世代の注⽬株
ヴァンサン・マリーは、2001年、大学時代に通ったワインスクールでヴァンナチュールに出会う。2005年にワイン学校の仲間と一緒にワインサロンを立ち上げたりしながら、徐々にヴァンナチュールの世界に入り込む。2012年、8年間働いた大手スポーツ用品の会社を辞め、ジェラール・シュレール、ジュリアン・メイエーで半年間ずつ研修を終えた後、2013年、オーヴェルニュで2 haブドウ畑を所有し、ノー・コントロールを立ち上げる。
2015 年現在 5 ha の畑を⼀⼈で管理している。(忙しい時は家族が⼿伝う)。彼の所有するブドウ品種は、ガメイ、ピノノワール、シラー、シャルドネの 4 種類で、樹齢は 12 年の若⽊から 110年の古樹まで幅が広い。また、彼⾃⾝、アルザスやロワールにゆかりがあることから、近い将来、シルヴァネールやピノオークセロワ、リースリング、ソーヴィニョンブラン、シュナンなど植樹する予定でいる。彼のモットーは「⾃由な発想で、極上のヴァン・ヴィヴァンをつくる︕」ことで、基本 SO2 無添加、ノンフィルターだが、そこも決して型にとらわれずに、⽣き⽣きとして、美味しさが弾けるようなワインを⽬指している。趣味は、トレイルランニングとサイクリング。サイクリングに関しては、かつてフランス代表候補に選ばれたり、プロサイクリストとしてスカウトされるほどの実⼒を持つ。
■生産地:オーヴェルニュ
フランスの「へそ」に例えられる、マシフ・サントラル(中央⼭塊)に囲まれた中南部の都市クレルモン・フェラン。そこから北に 15 km ほど上ったところに、ミネラルウォーターで有名なヴォルヴィック村がある。その村の麓にノー・コントロールの畑があり、ドメーヌはさらに北東へ 10 km ど向かった⼩さな町ル・シェー(Le Cheix)の外れにある。畑の総⾯積は 5 ha で、標⾼ 400〜500 m の東から南向きの丘陵地に点在する。AOC は 2011 年に新しく昇格したコート・ドーヴェルニュ(Cotes dʼAuvergne )だが、ワインのタイプや SO2 の量などがアペラシオンの規定に沿わないため、全て VdF として仕込んでいる。⽕⼭群によって堆積した⼟壌は、主に花崗岩質と⽞武岩質で構成され、⾹り⾼く果実味がチャーミングで軽快なワインを⽣み出す。気候は⼤陸性気候と⼭岳気候の両⽅の影響を受ける。冬は寒く乾燥していて、夏は⽇差しが強いが、標⾼が⾼いおかげで猛暑になりにくい。また、マシフ・サントラルの⼭々が⼤⻄洋から来る⾬雲を遮ってくれるため、1 年を通して⾬の影響が少ないのも特徴。
■歴史
オーナーのヴァンサン・マリーは、ノルマンディーのカーン出⾝で、ワイナリーの家系ではなく、またオーヴェルニュとは全く無縁だが、畑の価格条件が良く、ピノノワール、シャルドネ、古樹のガメイ・ド・オーヴェルニュといった魅⼒的な品種があること、またあこがれのラ・ボエムやピエール・ボージェのワイン産地であることから、この地を選びドメーヌをはじめている。彼が最初にヴァンナチュールを知るきっかけとなったのは⼤学時代、スポーツ経営学を学ぶ傍ら、個⼈的な趣味で 2001 年からワインスクールに通い始めた時のことだった。偶然⾨を叩いたワインスクールが、たまたまヴァンナチュールに特化した授業カリキュラムだったという全くの偶然を機に、彼はどんどんヴァンナチュールの虜になっていく。2004 年に⼤学を卒業し、⼤⼿スポーツ⽤品の会社に就職をするも、ワインスクールは継続して通い続けた。そして、2005年彼はワイン仲間を募ってカーンで⼩さなワインサロンを⽴ち上げた。このワインサロンは2008 年まで続け、ここでたくさんのヴァンナチュール⽣産者と直接知り合うきっかけをつかんだ。当時彼はスポーツ⽤品の営業マンだったが、次第にワインづくりに興味を持ち始める。2008 年、アルザスの本社に転勤になり、スポーツ⽤品の Web マーケティングを担当する。この時期彼は、より深くヴァンナチュールを学ぶために、余暇のほとんどを⽣産者訪問に費やした。そして、ついに2012年、ワイン⽣産者になる決意を固め、8 年間働いた会社を退職した。会社を辞めてすぐに半年間ジェラール・シュレールで研修を⾏い、さらに半年間ジュリアン・メイエーでの研修を経て、2013 年、オーヴェルニュで 2 ha ブドウ畑を所有し、ノー・コントロールを⽴ち上げる。