サンセールというイメージに挑戦する造り手<br>
サンセールは、粘土質、白亜の石灰岩(キンメリジャン)、火打ち石(シレックス)と様々なタイプの土壌が複雑に入り組んだ地形で、それぞれに異なるテロワールを持っています。セバスチャンは、それぞれの区画ごとに醸造し、その個性を最大限に引き出します。彼のワインは、畑の特徴を表すリトアニア語を冠していますが、これは奥さまの母国語であり、オクシニスは「黄金に輝く」という意味です。この畑は、平均樹齢50年の高樹齢のブドウが植わっており、小石のまじった粘土石灰質の土壌です。
エチケットの山のイラストはキュベによって色合いが違い、収穫時のブドウの色を表現しています。熟し方や貴腐菌のつき方によりブドウの色が違うことを、エチケットで表しているのです。ワインの色調は、ゴールド、オレンジ、褐色と時間とともに変化を見せます。杏のコンポートやオレンジママレードの濃縮した香りにやや酸化のニュアンス、クリーミーで厚みのある果実味は存在感はありながらも、豊富なミネラルに支えられ滑らかに広がり、後味には凝縮した旨味が心地よく感じられます。オリエンタルでエキゾチックな表情ものぞかせる複雑な余韻は、純粋さをもって飲むものの心にしみ入ります。
サンセールに隠された真実を、本来のあるべき姿へと戻し、土地の個性、造り手の表現として描き出した彼のワインは、「世界のベストレストラン50」で首位に輝くデンマーク・コペンハーゲンの『NOMA』のワインリストにも採用されています。これまでとは違うサンセールの扉が開かれる、セバスチャンの感動の世界をぜひあなたもご体験ください。