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ドメーヌ・ポンコツ(Domaine Ponkotsu)
ペイザナ農事組合法人 松岡 数人 Kazuto Matsuoka 大阪府堺市生まれ。2000年に山梨大学 工学部生物工学科卒業。同年株式会社志太 中伊豆ワイナリー入社。2015年に退社し、ペイザナ農事組合法人で「ドメーヌ・ポンコツ」ブランドを立ち上げる
松岡数⼈⽒は⼤阪府堺市の出⾝で、⼭梨⼤学にてブドウ栽培や、発酵,醸造の基礎を学ぶ。⼤学卒業後は、静岡県伊⾖市の中伊⾖ワイナリーに 2000 年から 15 年間勤務し、醸造責任者を務めた。 松岡⽒が⼭梨でペイザナ農事組合法⼈に加⼊し、ドメーヌ・ポンコツの⽴ち上げを決意したきっかけには、ドメーヌ・オヤマダの⼩⼭⽥⽒との出会いがある。
松岡⽒は、2005 年頃に樽の販売業者が企画したフランスへのツアーで、⼩⼭⽥⽒と出会った。外部との情報交換があまりなかった松岡⽒にとっては、このツアーが⾊々なことを考えるきっかけになったという。その後、中伊⾖ワイナリーでワイン造りをしているうちに疑問に思ったことなどを、⼩⼭⽥⽒に質問するなどして交流を深めていった。
⼆⼈とも同時期にビオディナミにチャレンジしていることなどを⾒ると、お互いが良い刺激になっていたことがうかがえる。このビオディナミへのチャレンジは、⾼温多⾬な気候の中伊⾖では上⼿くいかなかったが、タイミングを⾒極めることによって、防除の回数を相当数減らせるということを学ぶことができたという。その後、松岡⽒は⾃⾝の勉強のため、⼭梨で⼩⼭⽥⽒と共に⽉に 1 回程度作業をするようになった。その間に栽培から醸造までを⾃ら⾏うペイザナという存在を知り、彼らの考え⽅に共感した松岡⽒は、2012 年頃に⼩⼭⽥⽒に対して、ゆくゆくは⼭梨に移住してペイザナに⼊りたいという話をした。既に松岡⽒の造るワインを知っていて、ブドウ造り、ワイン造りに⾃らと近いものを感じていた⼩⼭⽥⽒は、快くその話を受け⼊れた。その後も⽉ 1 回程度⼀緒に仕事をして、⾃らの仕事を⾒せ、信頼関係を築いていった。そして 2015 年の植え付けのタイミングで⼭梨に移住することを決⼼した。
松岡⽒は、既に市場にあって⾃分が飲みたいと思うものがあっても、それを造りたいとは思はないという。既にあるものを造る必要はないと思っていて、どこにもない美味しいものを造ることを⽬標としている。ただ、松岡⽒の考え⽅に影響を与えたワインがいくつかある。例えばとある⼭梨のワイナリーの⽩ワインを飲んだ時は「俺は誰になんと⾔われようが、こうゆうワインなんです︕」という主張を強く感じ、ワイナリーとしての在り⽅や、製品に対してのこだわり⽅に筋を通していて、実際に飲んでみてもそれを感じることができるという物作りに感銘を受けたという。
⾃然派ワインへの⼊りになったワインは、前述の樽の販売業者が企画したフランスツアー中に、パリのレストランで⼩⼭⽥⽒がチョイスしたフランソワ・シデーヌ。これは単純に美味しいと思ったという。⼩⼭⽥⽒との出会いと重なっていたこともあり、⾃然派を意識し始めたきっかけになっている。なぜ⻑野や北海道ではなく⼭梨だったのかというと、ペイザナがそこにあったというのがその理由としてとても⼤きい。松岡⽒は場所よりも⼀緒に仕事をする⼈が⼤切だと思っている。ワインとブドウは⼈が造るものであり(ワインに⼈柄が表れるということではなく)、造り⼿側として、魅⼒的な仲間の近くで仕事をしたかった。その中でやれることを探すということが、⾃分の⽣き⽅なのだと語ってくれた。(インポーター資料より)
今年から始めた⼭梨での栽培。まだ農法などと偉そうなことをいうには、本当に 10 年早いと考えている。
降⾬量の多い、ブドウ栽培には厳しい⼟地では、消毒回数も⾮常に多くせざるを得ず、それがワインの味に影響するのではと考えていた。そんなときに⼩⼭⽥⽒との出会いから 2007 年ビオディナミをやり始めることになる。しかし、ある特定の病気だけがどうしてもビオディナミでは⽌めることが出来ず 4 年で断念した。ブドウはまともに収穫されず、⾃分の考えが間違いであることに気づいた。健全なブドウが第⼀であり、それが出来ない⼟地で無理な農法を取り⼊れてもいいブドウはできないという結論に⾄った。しかし、それでも有機合 成農薬の使⽤に疑問を感じた結果、それを使わなくても栽培できる⼟地でやろうという結論に達した。
⼭梨はそれが出来る⼟地であると考えている。すなわち草⽣栽培、無施肥、有機合成化学農薬不使⽤、殺⾍剤不使⽤。⾃分に対して負荷のかからないやり⽅。しかもテロワール(がもしあるなら)をできるだけ忠実に表すことができると思うやり⽅でもある。
ペイザナ農事組合法人
ドメーヌ・オヤマダのワインは、ペイザナ農事組合法人 中原ワイナリーにて醸造される。
ペイザナ農事組合法人(以下ペイザナ)は、山梨市,甲州市,笛吹市,甲府市,北杜市を拠点に活動。農業人口の減少、若者の農業離れが進む中、「日本の農業の将来を見据え、農地を継承・活用し、農業従事者の雇用・育成 を目的として」小山田氏と四恩醸造の小林氏が理事となり 2011 年に設立された。
更に、自社の高品質葡萄を原料に、より付加価値の高いワインの生産をペイザナとして実現するため、勝沼町中原に共同醸造所(中原ワイナリー)が 2014 年に設立された。
葡萄とテロワール
自らの探求する農法により、棚栽培で既存の甲州種やデラウエア、マスカット・ベーリーA の品質と付加価値向上に努めるとともに山梨の土壌に合い、病気に強く、かつ収量が比較的多い希少品種も導入予定。 具体的には棚栽培において、白系のプチマンサン、アルバリーニョ、垣根栽培において白系のシュナンブラン、ロモランタン、赤系のムールヴェードル、タナ、シラー等。希少品種は知名度が低く、商品価値が低いとされる こともあるが、ワインの商品名はすべてブドウ生産の畑名とし、各々の畑に適した品種を植栽していく適地適作の概念を実行していく。その上で、日本ではまだ確立されていないワインのテロワール表現を訴求していく。
醸造
自家農園葡萄を原料にし、培養酵母や酵素、発酵助剤等の使用を一切行わず、葡萄に付着した自然酵母により発酵を行う。また、製品の品質保全のために不可欠とされる亜硫酸は必要最低限の使用とし、極めて天候が 不良な年を除きアルコール分上昇を意図した糖分の添加を行わない。スパークリングワインにおいても、酵母の添加は行っていない。